2012/11/23

クィア・スタディーズ院生研究会(企画書)




クィア学会は今年で成立して5年目を迎え、年次大会においては活発な研究成果報告と意見交換が続けられている。とはいえ、日本の高等教育・研究機関においてクィア・スタディーズの研究に従事できる環境は整っているとは言いがたい。

これは、ひとつにはクィア・スタディーズの学問領域としての新しさおよび学際性のため、研究者が既成の多様な学問分野に分散していることが理由である。このため、大学院生が既成のそれぞれの分野において研究成果を検討しあい、指導を受けることは可能であっても、研究課題について〈クィア・スタディーズの観点にもとづく〉批判や助言を受けることは、必ずしも容易ではない。結果として、将来のクィア・スタディーズを担うべき大学院生の育成に必要な、学術的基盤の共有や有益な意見交換のための場は圧倒的に不足しているのが現状である。

この現状を踏まえ、また、クィア学会の趣意文に「本学会は、学際的な研究領域であるクィア・スタディーズに関心のある研究者に、相互交流と研究成果共有のための一つの場を提供することを、目的とする」とあることを鑑みて、学会会員有志による院生研究会の開催を提案する。

なお、この院生研究会は将来的には学会内のワークショップとして位置づけること念頭におくが、当面は科学研究費助成研究である『日本におけるクィア・スタディーズの展開』研究グループ有志によるパイロット・プロジェクトとして運営するものである。



**********

以下概要についてはこちらのエントリをご参照下さい。

1.
概要
年に一度、クィア・スタディーズにかかわる院生有志を募り、一泊二日のワークショップを開催する。コメンテーターおよびファシリテーターには有志の研究者があたる。
参加院生は事前にディスカッションペーパーを提出するものとし、ワークショップ当日は各院生が自分の研究計画を元に20分程度の報告を行った後、参加者全員で報告内容についての討議を行う。
各報告に割り当てる時間は2時間ほどとし、一度のワークショップの報告者は5、6人を上限とする。


2.
目的
この研究会は、クィア学会会員である大学院生相互の研究交流に加え、クィア・スタディーズにかかわる多分野の研究者との討議を通じて院生の研究の促進と向上とを図ることで、本分野の将来を担う若手研究者の育成に寄与することを目指す。


3.
場所、時間など

三月末を予定(これは調整して決定する)。一泊二日で、首都圏または中部圏でセミナーハウス等を予約し、基本的には泊まり込みの合宿形式をとる。詳細は追って公表する。


4.
参加者

クィア学会所属大学院生(博士号未取得)。
報告者としては、修論執筆を控えたM1、博論の概要を固めつつあるD1を優先するが、研究計画を元にした報告が出来る場合、必ずしもこれだけには限定しない。
報告者は申込時に報告の簡単な概要を提出する必要があり、申込が多数の場合はコメンテーター役の研究者が報告者を選出する。
事前に申し込みをした院生は、報告者でなくても参加可能。
なお、この研究会は当面は非公開とする。


5.
コメンテーター/ファシリテーター
現時点ではこの院生研究会提案者(最下部参照)がおこなうが、今後は必要に応じて学会内外の研究者に参加を依頼する可能性がある。


6.
資金
参加者およびコメンテーター各自が実費負担。
ただし、各参加者から1500円の参加費を徴収し、これをプール金として遠方からの報告者への多少の補助とする。


7.
募集時期、および応募先

20121125日〜201212月末日
応募は下記アドレスでメールにて受け付ける。
qsinsei(あっと)gmail.com


報告者の応募に際しては以下をPDFファイルにて添付すること。報告をせず参加のみ希望の場合はその旨明記し、c.以下の項目は不要。

a.     氏名
b.     所属および学年
c.     研究課題名
d.     研究課題概要(800字以内)
e.     現時点での参考文献表一覧



**********

以上。


〈クィア・スタディーズ院生研究会〉パイロット・プロジェクト有志
(科学研究費助成研究基盤C「日本におけるクィア・スタディーズの展開」研究グループ)

石田仁
風間孝
釜野さおり
河口和也
クレア・マリィ
清水晶子
菅沼勝彦
谷口洋幸
堀江有里




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